プロフィールでも謳っているとおり、私はC&R派ではありません。
毎回ではありませんが、行く川の遊魚規則に則った上で魚を持って帰ることがあります。
(C&Rについてはまた別の機会に書きますので、ここでは触れません)
せっかく苦労して釣った魚ですから、自分が納得できる形で調理したいもの。
渓流魚と言えばまずは塩焼き。簡単に思える塩焼きですが、人によって焼き方が異なります。
今回は私なりのこだわりをご紹介いたします。
今回使用するのは数年前に通販で購入した「串焼きろばた」です。
http://www.kinka.co.jp/main/main2.html帰宅して、夕食まで時間のないときはガスレンジで焼くこともありますが、湿っぽい焼きあがりになりますので、気合の入っている時にはこの魚焼きを使います。
まずは下ごしらえ。
魚は内臓から痛んでいきますので、なるべく釣り場でワタ抜きして、クーラー等で保冷しながら持ち帰ります。その際、エラと腎臓(背骨に沿ってある血の塊のような部分)もキレイに取っておきます。
家に帰ったら、流水でさっと洗ってキッチンペーパーで軽く水気を取り串を打ちます。
いわゆる「おどり串」です。串の刺し方は地方や店によっていろいろありますが、私の打ち方はこんな感じ。

盛り付けたときに泳いでいるようにするのがポイントです。
次は塩。こだわるのはここです。
山間部に行くと、よくヤマメの塩焼きが売っていますが、概ね塩を振りすぎていると思います。ヒレに至っては、焦げ防止のために真っ白になるほど塩を付けていますので食べる気もおきません。あれでは塩辛すぎてヤマメ本来の味がわからなくなります。
で、私の塩加減ですが、魚の表面にはパラパラとしか塩を振りません。炭火にかざして焼く場合、ガスレンジのように焦げることはないので、ヒレの化粧塩も少な目です。全体が香ばしく焼けて、頭と中骨以外は全部食べれる塩焼きを目指しています。
そのかわり、腹の中にはしっかりと粗塩(伯方の塩や島マースなど)を擦り込みます。
こうすると、焼いている間に腹のほうから全体に塩がまわり、ちょうど良い塩加減になるからです。
考えてみれば、腹腔内は内蔵がある場所ですから、血管などを通じて全身に塩が回りやすいのでしょう。
反対に表皮は外界から体を守るためにあるものですから、塩が浸みにくいのも当然だと思います。
この塩の使い方は馴染みの居酒屋の大将に習いました。
大将は元日本料理の板さんだったそうで、魚の扱いが上手です。
年が近いこともあり、いろんな事を教えてもらうのですが、料理のポイントで、なるほどと思ったことを一つ。
それは、「甘いのは我慢できるけど、塩辛いのは我慢できない。」
なるほど。塩が足りなければ足せばいいですが、最初から塩辛いとどうしようもありません。
ということで、私の塩焼きは基本的に薄塩です。
次は焼き方。

このように立てて焼くと、焼串を伝って水分や余分な脂が落ちるため、臭みも抜けてホクホクとした状態になります。
しかも、炭の上に脂が落ちないので煙がほとんど出ません。さらに、備長炭のように高品質の炭ならば、ほとんど煙は出ないので、換気扇の下なら室内でも焼く事ができます。
炭を真っ赤に熾して強火の遠火でじっくり焼き上げます。
焼き加減は好みが分かれるところですが、新しい魚はある程度水分があったほうが美味いと思いますので、焼き過ぎないように注意します。(キャンプなどでは熱燗に入れることもありますので、時間をかけてしっかり水分を飛ばし、焼き枯らしのようにすることもあります。)
最後に盛り付け。
今回は笹の葉を飾り、レモン、大根おろしで居酒屋風に盛り付けてみました。

焦げ目はありませんが、これでも芯までしっかり火が通り、ヒレもパリパリで美味しく食べられます。
ガスレンジで横に寝かせて焼いた魚とは全く違う仕上がりです。
もし塩焼きの味が薄ければ、大根おろしに醤油をかけて調整します。
これも居酒屋の大将に教えてもらった事です。
今夜も酒が進みます。
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